日本人の2人に1人、50歳以上では70〜80%の人が感染していると言われるピロリ菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリといって、胃の中に住んでいるらせん形の細菌です。胃の粘膜の表面や細胞の間に入り込んで炎症を起こし、慢性胃炎、萎縮性胃炎や消化性潰瘍の原因とされ、さらには胃がんの発生に強く関わりがあることが明らかになっています。ピロリ感染があっても胃がんを発症する人はごく一部ですが、厚生労働省の調査によるとピロリ菌に感染している人は感染していない人に比べて約5倍、胃がんになりやすいことがわかりました。ピロリ菌を除菌することで、2次胃がんの発症を1/3程度にまで減少することができるとされています。日本ヘリコバクター学会では、ピロリ菌感染症の除菌治療が推奨されています。
◆ ピロリ菌・胃腸専門外来(予約制)
毎月第1火曜日 午後 担当医:富山大学第3内科教授 杉山敏郎先生
当外来では、主として胃がんの予防を目的とする方に専門医が上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で胃炎の有無やピロリ菌の感染があるかどうかの検査を行ったり、希望する方にはピロリ菌の除菌治療を行います。また、他医療機関でピロリ菌の感染診断を受けた方の除菌相談にも応じます。
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対象となる方
1 . ピロリ菌陽性の胃炎で、ピロリ菌の除菌を希望される方。
2 . 健診でピロリ菌陽性での除菌を希望される方。
3 . 内視鏡による胃検診で胃炎を指摘された方で、ピロリ菌の感染検査を希望し、もし陽性なら除菌を希望される方。
4. ピロリ菌の1次除菌、2次除菌(健康保険の適用)を行ったが失敗し、3次除菌を希望される方。
(3次除菌希望の方は、これまでの除菌の経過がわかる医療機関からの紹介状が必要です。また、自費診療となります)
※専門外来受診の前に、事前診察(専門外来日とは別の日)が必要です。ピロリ菌検査や胃内視鏡検査が必要な場合にはあらかじめ行っていただきます。
※胃の内視鏡検査を受けたことのある方は、結果の報告書を持参ください。
※当外来ではピロリ菌を除菌する場合、6ヶ月以内の胃内視鏡検査で胃がんがないことを確認する必要があります。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方や腹部症状のある方は、まず一般外来で診察を受けてください。
2013年2月21日に除菌治療の保険適用が拡大され、これまでの胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃がんに対する内視鏡的治療後い加えて「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(内視鏡診断要)」が追加されました。